研究課題/領域番号 |
13572006
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
陳 立行 日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (60278314)
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研究分担者 |
丁 亜希 三重大学, 教育学部, 教授 (20252330)
岩田 龍子 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (60061397)
近藤 悟 日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (10267966)
中村 則弘 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10192676)
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キーワード | 中国 / 起業行動 / 起業環境 / 社会システム / 国際比較研究 / マレーシア / エスニック文化と企業行動 / 日本 |
研究概要 |
この研究は中国、マレーシア、日本で、主たる民族と少数民族としての中国系、インド系、ムスリム系、コリアン系の起業過程、経営方式、技術力、経営エトス、企業の成長などについての調査を実施した、三つの国から40社の企業家に対して聞き取り調査、また合計1,600人の経営者に対してアンケート調査を行い、470票を回収し、回収率は29.34%となっている。 この研究では起業の過程を、起業欲求、起業行動、欲求達成という三つの段階に分け、それぞれの段階において個人要素と社会的環境との相互作用について、社会学、経済学、経営学などのアプローチで解析を行っている。個人要素は起業行動の内在要素とし、社会的環境は起業行動の外在要素として、外部要素は内在要素を通じて作用するという理論的仮説が定量分析によって立証された。また、起業家としての個人要素の形成に対して、教育のあり方と社会の評価が重要な意味をもち、同じ社会システムの中、同じエスニックでも、社会化の過程、特に学校の教育方針と方法によって異なった起業欲求と起業行動がマレーシアの華人の起業行動にはつきり見られている。中小企業の発展の外部要素として、社会的支援が大きな役割を果たしたことが三つの段階の全てにおいて見られる。ところが、制度的支援は起業の段階で強いサポートとなっているが、一旦失敗することがあれば、再起業にとって大きなハンデになる可能性もあることが示唆された。したがって、中小企業の発展を促進することに対して、制度的支援を強化すると同時に、再起業者の評価と査定基準には前回の失敗に対する客観的な審査内容を入れる必要となる。
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