研究課題/領域番号 |
13572007
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
桐野 由美子 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (20225105)
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研究分担者 |
石川 洋明 名古屋市立大学, 人文社会学部, 助教授 (20201915)
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キーワード | 児童虐待防止 / NGO(非政府組織) / 国際比較 / アメリカ / 民間委託 / 虐待調査・介入 / 治療プログラム / タ職種チーム |
研究概要 |
3年にわたる本研究の第2年目の本年度は第1に、本年度実施のアメリカにおける児童虐待防止非政府組織(NGO)ならびにその関連政府組織(GO)等を対象とする聞き取り調査の準備として関連資料の収集にあたった。 第2に、アメリカ聞き取り調査を実施した。NGOとGOの連携状況に関する聞き取り調査の実施地はワシントンDC、メリーランド州、ノースカロライナ州、フロリダ州、ニュージャージー州、ワシントン州、カリフォルニア州であった。 アメリカの児童虐待防止活動におけるNGOの活動の最も大きな特徴として、児童虐待の調査・子どもの家庭外措置を含む要養護児童の処遇の計画ならびにその実施の任務を持つ全ての児童保護局は主に、子どものパーマネンシープランニングに関するケースマネジメントに携わり、児童虐待第一次・第二次・第3次予防活動の殆どを、契約を交わしたNGOの諸機関に任せていることがあげられる。これは日本の介護福祉分野のケアマネジメントのシステムと類似すると言っても過言ではない。 このようにアメリカのNGOはGOの補助的役割をする立場とは程遠く、児童虐待予防の確固たる中枢専門機関としての責任を担っている。また、各NGO活動は毎年厳密に評価され、成果をあげているNGOのみが次年度のGOとの契約を交わすことが可能になる。ゆえに、その競争世界で生存するためにも、子どもと家族へ提供するサービスの質の向上を目標に、スタッフの研修・効果測定等に相当力を入れていることが聞き取り調査の結果に現れた。 特に、今回の聞き取り調査の対象となったアニーケーシー財団、法人ペアレントアナニマス(匿名の親)、ナショナルエクスチェンジ財団等は、全国に支部を置いて児童虐待防止活動に貢献する大規模な事業を行っている。 最後に本研究第2年目として、ISPCAN(世界児童虐待防止学術研究会)会員の中から抽出した全世界のNGOおよびGOを対象に質問紙調査を実施した。回収率が低かったこともあり、第3年度の研究では、今年度の質問紙調査のフォローアップが必要である。
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