研究概要 |
2001年度研究助成1年目は、研究代表者及び研究分担者、三富助教授、小山内教授佐野助教授の4人が英国に入りショップモビリティ(National Federation of Shop mobility以下「NFS」略)の調査を実施した。調査項目はNFSの歴史的背景では1979年キングストン地区で、地元の商店街建設時に在宅の障害者・高齢者が外出し買物を容易にするためその建設計画に高齢者が参画したのが始まりである。英国調査対象では、Kingston Upon Thames Shopmobility, Oxford Shopmobility, Glasgow Shopmobility,等全10か所を訪問し、運営主体、実施主体、財源状況及び利用状況及び地元商店街とNFSの関係、NFSと在宅高齢者の関係を分析した。Kingston Upon Thames Shopmobility地区では人口14万人に対して、利用状況は週約210万人、実施は地元の行政が行い管理運営は商店街が行っている。この地区ではShopmobility Centreの利用時間は商店街の開店時間に合わせ(月)-(土)10:00〜17:00、(日)10:00〜17:00である。貸出し料金は無料であり、利用手続は会員制をとっている。在宅の高齢者・障害者等で外出に不便を感じていれば、誰でもNFSへの登録申請ができる。この登録によりIDカードが発行され商店街の駐車場の利用やトイレ等さまざまな配慮がされている。このシステムから、期待される効果として、第1に在宅障害者・高齢者の外出支援を支え、同時にQOLの向上につながっている点、第2にこのNFSnを利用し地元商店街等での買物状況は一人週平均48ポンド(9,120円)で街の経済効果をもたらしている点。第3に在宅サービスの保健・医療・福祉予算の軽減に役立っている点、第4にノーマライゼーションに寄与している点等が部分的に確認されてきた。2002年度の調査では前述した4つの仮説をさらに具体的に検証していく予定である。
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