研究課題/領域番号 |
13572023
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研究機関 | 鹿児島県立短期大学 |
研究代表者 |
朝日 吉太郎 鹿児島県立短期大学, 商経学科, 助教授 (70270155)
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研究分担者 |
丹下 晴喜 愛媛大学, 法文学部・総合政策学科, 助教授 (20284383)
鈴木 裕之 高知大学, 人文学部・社会経済学科, 助教授 (20206527)
金谷 義弘 鹿児島県立短期大学, 商経学科, 教授 (90194894)
八木 正 鹿児島国際大学, 短期大学部・情報文化学科, 助教授 (20259774)
西原 誠司 鹿児島国際大学, 短期大学部・情報文化学科, 教授 (00198491)
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キーワード | ドイツ / EU / グローバル化 / 通貨統一 / 経済政策 / 労働市場 / 労使関係 / フレキシブル化 |
研究概要 |
今年度のドイツ調査は、2001年9月と2002年3月の2回に分けておこなった。今年度の調査課題は、(1)EU統合が進む中でのドイツの国家政策の主体の制限とその国民経済に与える影響、(2)連邦、州、EUが一体となって進められている東独国境開発政策の実態、(3)グローバル化とともに進展している労働市場政策の変更と、失業問題、労働運動のあり方の変化、(4)先端技術産業における開発戦略、(5)環境政策の変化と社会意識の変化について、特に、参加者の成果公表を意識して、個別調査をすすめることであった。以下ではそれぞれについて概略的に報告する。 (1)については、連邦大蔵省でのドイツ税制改革とその効果について調査した。またヨーロッパ中央銀行においてヨーロッパ通貨統一と,ドイツ財政経済政策との関係について調査した。(2)ザクセン州大蔵省を中心に地方財政を調査した。(3)IGMプラウンシュバイク地方支部を訪問し、雇用問題、協約制度をめぐる情勢調査し、また、ザルツギッターAG製鉄所の従業員協議会を訪問し、企業合併や協約制度、経営参加と企業別協約制度の問題などについて調査した。PDS本部の労働運動家の交流研究会にて、失業・労働条件、労度運動をめぐる情勢や、ドイツのグローバル化についての討論に参加した。(4)ジーメンス社重電用タービン工場において、最先端のセラミックタービンの開発と、同社の経営戦略についての聞き取りをおこなった。なお、当初予定していた電機産業での調査を変更し、ザルツギッターAGにおける最新鋭溶鉱炉の見学と聞き取りをおこなった。また、情報通信産業の動向やインターネットバンキングなどのあり方については、ドイツ側研究者と研究交流をおこなった。(5)連邦環境省と、ザクセン州環境省において、近年の公害問題と、公害対策に向けた諸政策の動向ならびに今後の課題について聞き取りをおこなった。また、ドイツの環境保護団体BUNDにて聞き取り調査をおこない、ドイツ連邦およびEUにおける環境問題、京都議定書問題をめぐるドイツの社会意識などについて調査した。 また、調査資料のデータベース化のために聞き取り調査のテープ起こしをおこないCD-ROMに記録した(非公開)。 今年度の日本での調査を2002年3月におこなった。ドイツから招聘した2名の研究者との研究交流会、出版および研究方針についての打ち合わせ、公開講演会(鹿児島県立短期大学3月21日)を開催した。現在、来年度秋には、日本における第一回の出版計画が進み、また、ドイツ語出版のプロジェクトの立ち上げを確認した。経済情勢の悪化とともに工場見学が困難になったため、屋久島における環境保護調査、唐津市における窯業協同組合の訪問をおこなった。 さらに、国際研究交流の副次的な成果として、日本人学生によるベルリン短期研修滞在のカリキュラム(メルツ・シューレ)が立ち上がり、県立短期大学等から、学生25名が2週間ベルリン工科経済大学で研修を受けた。このプログラムに関して、来年度からの継続的開催が検討されている。
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