研究課題/領域番号 |
13572023
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
|
研究機関 | 鹿児島県立短期大学 |
研究代表者 |
朝日 吉太郎 鹿児島県立短期大学, 商経学科, 助教授 (70270155)
|
研究分担者 |
丹下 晴喜 愛媛大学, 人文学部・総合政策学科, 助教授 (20284383)
鈴木 啓之 高知大学, 人文学部, 助教授 (20206527)
金谷 義弘 鹿児島県立短期大学, 商経学科, 教授 (90194894)
八木 正 鹿児島国際大学, 短期大学部・情報文化学科, 助教授 (20259774)
西原 誠司 鹿児島国際大学, 短期大学部・情報文化学科, 教授 (00198491)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | 国際研究者交流 / ドイツ:日本 / EU / グローバル化 / 統一通貨 / 経済政策 / フレキシブル化 / 雇用政策 |
研究概要 |
本研究は、日本とならぶ欧州のプロフィットセンターであるドイツがグローバル化の中で従来の経済・社会システムをいかに変容させつつあるかを解明することを課題に、日独の国際研究交流と学際的研究交流を通じて行われた。本研究の主たる研究成果は以下で示す内容である。 (1)アングロ・アメリカ的グローバル化に対して、ヨーロッパの繁栄をめざしてそのグローバル化を部分修正しようとしているEUとその中での経済的覇権をもとめるドイツ資本主義の動向は、これまでの一国資本主義的分析の枠組みを超えた新しい現代資本主義の階層法則を生み出しつつある。(2)しかし、ドイツの蓄積戦略はこれまでの国家独占資本主義的枠組みを解体させることを条件に行われているのではなく、その枠組みの延長として展開し、そこに超国家組織を巻き込む形で新たな蓄積をすすめており、この方向こそ今後の欧州連合の東方拡大の基本路線として注目すべきである。(3)ドイツの蓄積戦略の二つ目の特徴は、ドイツ産業界と政府が、技術的にも社会関係的にも東部ドイツを新たな蓄積戦略の実験場として位置づけていることである。特にモジュール生産体制の導入や、戦後ドイツ労使関係の枠組の修正、中東欧への展開のためのインフラ形成など、新たなシステムのパイロットモデルを形成し、それを全国に波及するという役割を東部ドイツに担わせ、高生産性、低コストの新たな条件を生み出しつつある。(4)このような動向の中で大量失業が発生しているが、労働組合も左翼政党もグローバル化がドイツにもたらす諸問題の現実的な可能性への認識は弱く、今後、下部組織と上層部との意見対立が増加していくことが予想される。(5)グローバル化の中でドイツ資本主義は、金融的術策を軸とする投機的資本主義の路線をアメリカから導入しつつあり、それが、これまで物作りを軸に発展してきたドイツ資本主義の体質を脆弱化させる条件になりつつある。 なお、成果報告書には、印刷途中の日本語文献の構成を示し、ドイツ語文献の日本語原稿を添付した。
|