近年、世界各地で、巨額の経済的損失をもたらす自然災害が多発し、保険会社の保険引受キャパシティが著しく減少している。そこで、保険会社は、保険市場と金融市場を結びつけた保険代替スキーム(代替リスク移転)を開発することになった。 本研究の目的は、保険代替スキームを含む、保険業における最近の動きが、個人保険契約者の利益増大に貢献するのか否かについて、明らかにすることであった。 研究期間を4年間であるが、第2年度に当たる平成14年度は、保険デリバティブに関して次の研究を行なった。 ・伝統的保険と保険デリバティブに関する検討 従来の文献レビューによる問題点の整理 保険デリバティブに関する考察 ・保険デリバティブの国際比較のための準備(国内での資料収集等) ・保険デリバティブの国際比較のための実態調査(国内での調査と海外での現地調査) ・ヨーロッパ調査とアジア調査を実施した。ヨーロッパとアジアの保険業の実態を把握するとともに、保険会社と巨大災害との関連性について調査を実施した。 ・ヨーロッパ各国とアジア諸国の保険業における政府規制の現状を調査した。
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