世界各国で巨大な経済損失をもたらす自然災害、戦争やテロなど政治不安に係わる経済損失、航空機事故・宇宙での事故発生に伴なう経済損失など、さまざまなリスクが頻発し、世界の保険会社の保険引受けキャパシティが極度に不足している。 保険に替わる新たなリスク引受け手段として保険代替スキームが注目されている。 本研究の目的は、デリバティブやファイナイト再保険等の保険代替スキームの現状を把握し、今後の保険会社ないし保険業界の動向を探ることであった。 次の5点を中心に研究を遂行した。 (1)リスクと消費者行動 リスクに対する各個人の行動の違いと保険購入の関係の理論分析 (2)リスクの拡大と保険代替スキームの展開 保険代替市場の発達と金融市場からの新たな資金調達の理論的整理 (3)巨大自然災害の頻発と保険代替スキーム カタストロフィー保険(デリバティブ)やファイナイト・リスク再保険の理論分析 (4)保険代替スキームの現状調査 天候デリバティブの現状調査とファイナイト・リスク再保険の普及殿調査 (5)保険代替スキームの普及によって生じる消費者利益への影響 保険販売面での公的介入のあり方の分析の明確化 保険研究のあり方:研究成果を保険業の運営に活かす方策の模索
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