研究課題/領域番号 |
13572028
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中川 義英 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70139517)
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研究分担者 |
浅野 光行 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50257250)
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キーワード | 都市・地域計画 / 地域構造・地域システム / 教科外教育(総合的学習) / 授業学習支援システム / 子供のまちづくり学習 |
研究概要 |
今年度は主に東南アジア、韓国における子どものまちづくり学習の実態調査を行った。シンガポールにおいては交通問題などでかなり注目すべき都市計画は見られるが、マレーシアと共に子どものまちづくり学習については、未だに系統的な研究が見られないようだ。韓国においても同様で、ソウルに一極集中する人口に対応するだけで手一杯の行政の様子が分かった。ただし、ここでは児童の通学路の安全を図る運動から、NGO等の市民団体や、都市計画専門家の力を得て、通学路を見直すことで街を知り、それが一坪公園作り運動などに繋がり、大人達も巻き込んで行政を動かす原動力になっていたケースが見られ、児童に身近な問題から次第に視野を広げていく運動が実際に達成されていた。市民団体の地位が日本と異なるとはいえ、行政主導ではないまちづくりの原点を見る思いだった。 平成9年より取り組んできた東村山第七中学校における「まちづくり学習」の集大成として、本年度始めに現場の教師用テキスト「まちづくり賛歌」を作成、出版した。しかし、結果的には現場の教師が専門的知識のあるボランティアの助力なしに学習カリキュラムを実行していくことは困難であることも事実である。そのため学習プログラムを普遍的なものにするために、さらに新しい工夫を検討していたところ、同市立第四中学校で15年度に始動した「四中ホリデーネットワーク(地域で活躍する中学生)」の活動に着目した。これは中学校と町会・青少年対策委員会、青年会議所などの地域諸団体とPTAとの連携によって大人と子供が一緒に活動出来る場を作り、地域における中学生の存在感を回復し、地域構成要棄としての自意識を育てていこうとする試みである。教育委員会にも高く評価され、市全体の中学校に適用される可能性のあるこの活動に、「まちづくり学習」を参画させていく方法を模索していくことが重要ではないかと考えている。
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