研究課題/領域番号 |
13572031
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田原 高昭 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70002061)
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研究分担者 |
坂爪 浩史 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80258665)
坂下 明彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70170595)
黒河 功 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90125310)
柳村 俊介 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (80183979)
小野 雅之 山形大学, 農学部, 教授 (90224279)
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キーワード | WTO / 東アジア / 中国野菜 / アグリビジネス / 貿易摩擦 / 食料自給率 / 日本農学 / 韓国農業 |
研究概要 |
2年度目に当たる平成14年度は、韓国における野菜生産の実態と日本への輸出に関する調査を実施した。 韓国においては、中国からのニンニクなどの農産物輸入が急増しセーフガード発動が行われる一方で、日本向けにトマト・パプリカなどの果菜類を中心とした戦略的輸出品目の育成をはかっている。これは、WTO対策としての政府補助金による企業的な施設園芸振興によるものと従来の野菜産地をベースにしたものに大別される。 企業的な施設園芸に関する研究はすでにいくつか存在するため、本研究では農協を主導とする既存の野菜産地の構造と輸出実態に関する調査を主に行った。対象地は、江原道新北農協ならびに泉田1里集落の30戸の農家である。農家調査に関しては1995年に調査を実施した農家を対象として農業経営の変化を追跡した。この集落は稲作をベースにするが、1990年前後からハウスによる野菜導入が進み、それ以降も作付面積は拡大している。担い手は高齢化が進行しているが、稲作部門を委託作業ないし共同作業でカバーすることによって施設野菜部門の労働力を確保している。日本向け輸出のための特別な品種、技術導入は行われておらず、1999年から稼働した農協のAPC(農産物流通センター)において機械選果されたものが、日本向けとして輸出されている実態にあった。 以上の既存の野菜産地における日本向け輸出野菜は、国内向けとは質的な相違をもたず、問題は高齢化による産地そのものの維持という点にあることが明らかになった。他方の企業的経営においては、当初から日本向け輸出を戦略として大規模投資を行っているため、輸出の停滞によって直接的影響を受けることが明かとなった。
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