研究課題/領域番号 |
13572032
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
金山 紀久 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00214445)
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研究分担者 |
仙北谷 康 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50243382)
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20281876)
伊藤 繁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003145)
坂爪 浩史 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80258665)
小沢 亙 山形大学, 農学部, 助教授 (70211141)
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キーワード | 卸売市場 / 青果物流通 / 東中欧諸国 / 資本主義移行過程 / スーパーチェーン / 市場利用主体のニーズ / 卸売市場法 / 食品の安全性 |
研究概要 |
本年度は、引き続き東中欧諸国のうちポーランドとチェコにおける資本主義移行過程の青果物流通の構造的変化の調査を行うとともに、ポルトガルのリスボンで開催された卸売市場世界大会において情報収集・調査を行った。 ポーランドでは、ポズナニの卸売市場がスーパーチェーン等の大規模小売店への対応を図っていたが、必ずしも順調に行っておらず、個別の農家が大規模小売店へ単独で対応する例もあり、西欧諸国から進出してきたスーパーチェーンへの対応が、どのように進むかは明確ではない。また、ポーランドでは、政策的に卸売市場の整備を進めているが、その整備は、必ずしも市場に参加する主体のニーズに応えているわけではない。日本のように卸売市場法によりレギュレーションがあれば、制度的に卸売市場の利用を進めることが可能であるが、ポーランドにはそのような法律がなく、その下で卸売市場流通を政府が主導するには、卸売市場機能の有効性を市場利用主体に示さなくてはならないが、必ずしも十分ではなく、従来の市場が今なお機能している。 チェコのプラハでは、1989年以降、小さな卸売業者が集まる卸売市場が形成され、今日も存続しているが、この卸売市場に参加している卸売業者の内、いくつかは大きく取引が成長して、卸売市場外において物流・商流のセンターを設立し、卸売市場に依存した卸売業者ではなくなっている。 世界卸売市場連盟(WUWM)では、が取り組んでいるプロジェクトの1つに、GPG(Good Practice Guide for wholesale Markets in Europe)の策定プロジェクトに取り組んでいる。この取組みは、食品の安全性を確保する責任がすべての食品関連企業にあり、適正農業基準(GAP)などの普及を念頭に、卸売市場においても同様の行動基準が必要との認識から始まり、2004年5月に最終案が確定する予定である。
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