研究課題/領域番号 |
13572036
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
手塚 章 筑波大学, 地球科学系, 教授 (60155455)
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研究分担者 |
小田 宏信 筑波大学, 地球科学系, 講師 (30280001)
呉羽 正昭 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50263918)
高橋 伸夫 筑波大学, 地球科学系, 教授 (50015773)
伊藤 貴啓 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (10223158)
平 篤志 香川大学, 教育学部, 助教授 (10253246)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | EU / アルザス / ロレーヌ / 国境 / トランスボーダー / 地域統合 / フランス / ドイツ |
研究概要 |
本研究では、EU統合が進展するもとで、ヨーロッパの中軸ゾーンを形成する独仏国境地帯の構造変化を、地域実態に即して具体的に解明することを目的にした。国境を越えての地域間交流が多様な側面で進んでいるため、個別の側面(国境ごえ通勤流動、移住、観光レクリエーション活動、地方自治体の国際連携、企業進出など)を役割分担するかたちで共同研究を行った。 アルザス・ロレーヌ地方は、1980年代以降、国境の障壁機能が著しく低下したことで大きな空間変容をとげた。今日では、住民の日常生活レベルでほとんど国境の影響が感じられないほどである。同様の現象は、フランス・ベルギー国境地域やオランダ・ドイツ・ベルギー国境地域でもみることができる。ただし、その具体的様相は地区により異なっており、アルザス地方とロレーヌ地方でも共通点が多くみられる一方で、その具体的な状況には差異がみられた。また、法律的・制度的・文化的な側面では、国境が今なお空間的な不連続線であることに変わりはなく、そのことが多様な流動を引き起こす要因になっているとともに、地方自治体間の連携にさいして大きな障害になっている。その意味で、国境は依然として重要な地理的要因である。さらに、この地帯は国境線と言語境界線が複雑に錯綜する地域である。とりわけ、国境と言語境界が一致していないために、EUの論理と国家の論理、地域の論理、住民の論理が複雑に錯綜し、そのことがアルザス地方やロレーヌ地方における近年の動向に特徴的な性格を付与していた。
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