研究課題/領域番号 |
13572039
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
水内 俊雄 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (60181880)
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研究分担者 |
小玉 徹 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (00170267)
中山 徹 大坂府立大学, 社会福祉学部, 教授 (40237467)
福原 宏幸 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20202286)
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キーワード | ホームレス / 野宿者 / スクォッター / 住宅政策 / 不法占拠 / 香港 / ソウル / 台北 |
研究概要 |
本年度は調査の初年度に当たるため、今後の調査の基礎固めのための人的コネクションの開拓、および現地のホームレス事情に関する実地の見聞を主眼とした。時間と人員の都合上、香港と台北の調査となり、韓国は次年度に行うことにした。 香港、台北とも住宅困窮民という視点から、政策的に、空間的に、そして人間関係的にどのような関係性が構築され、現実にどのような実態にあり、そして政策運用はどのようにされているかを主眼として調査を行った。香港においては、1200名内外の野宿者が確認されているが、純粋失業者、麻薬常習者、精神的障害者、アルコール常習者、大陸からの移住者に区別され、主に九龍側に夜間路上就寝を行う事例が多い。政策的には住宅政策における臨時収容所や、中間居住住宅の入所対象者とはほとんど関係性を有さず、まれに社会福祉局の同憐住居に日々居住できるが、多くは救世軍のアーバンホステルに住む事例が多い。この場合にはアウトリーチングのためのソシアルワーカーが社会福祉局の助成を受けながら、またホステルも支援を受けながら運営されている状況である。現実住宅困窮者には、月払いの簡易アパートが、ベッドハウスアパートや、鳥かごハウスという形で大量にインナーシティに存在している。 一方台北では、450名ほどのホームレスが路上就寝している。比較的見えにくい存在であるが、精神的障害者、アルコール常習者に加え、伝統的な都市雑業としてのくず拾い、葬列でのラッパ吹きという形で加わり、建設業は外国人労働者に移行し、その意味でも現象的にも見えにくい存在となっている。しかし、遊民収容所が直営と宗教団体への委託と言う形で2箇所存在しており、入所に繰り返しという事例もあるものの、一定程度就労退所してゆく事例も見られた。ここでもアウトリーチングにあたる専属ソシアルワーカーがいる。
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