研究代表者の原は、2002年1月28日(月曜日)から3月25日(月曜日)まで、米国において第2次世界大戦後の「情報の自由」についての政策形成のための資料収集および聞き取り調査をおこなった。1月28日(月曜日)から1週間強、サンフランシスコ市のカリフォルニア大学バークレー校のバンクロフト中央図書館において、日米間の戦時中から戦後にかけての政策立案過程の資料を探索し複写した。2月6日(水曜月)から6週間、ワシントンDCの連邦議会図書館、その近郊の米国国立公文書館、メリーランド大学中央図書館でメリーランド大学歴史学部客員研究員として資料収集をおこなった。連邦議会図書館では同館稿本部所蔵の館長文書の閲覧と複写をおこない、あわせて1945年前後の機関や人事などについて同館にしかない蔵書による調査をおこなった。また同館館長のビリントン博士、同館書籍普及センター長のコール博士、日本課の秋葉曜子氏らと面会し、「情報の自由」について情報収集と意見交換をおこなった。米国国立公文書館では、1945年の国務省関係文書、国務省内外関係委員会文書の調査・複写をおこなった。メリーランド大学では同大学中央図書館で資料収集をおこなったほか、同大学の歴史学部長ランペ教授、メイヨー準教授らに聞き取り調査をした。最後に3月18日(月曜日)から帰国までの1週間、ヴァージニア州ノーフォーク市のマッカーサー記念館を訪問し、占領期の文書の閲覧と複写をおこなった。精力的な収集により段ボール箱5箱の複写物をもちかえり、次年度以降に分析をおこなう。出発前の準備的検討の成果は、第11項にかかげるとおりである。なお2001年9月25日から予定していた調査旅行を、9月11日の事件のために延期せざるをえなかった。この事件の発生からしても「情報と意見の自由な流れ」による相互理解が、現代の世界においても不可欠の課題であることが認識された。
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