研究概要 |
平成13年度に引き続きマレーシアの現地調査を含めて研究を進めている。マレーシアの現地調査の対象として,(1)生活環境基盤整備充実のための都市インフラ整備の拡張(主に,港湾関連施設)に伴う熱帯林・マングローブ林の破壊地域,(2)インドネシア等の移民の水上生活用の住宅建設によるマングローブ林の破壊地域を中心として調査を行った。現在のマレーシアの国策である経済・産業発展により国際公共財=国際公共資源としての熱帯林,主にマングローブ林の伐採,倒木の影響が予測される地域の抽出を行った。(3)平成13年度からコタキナバルから50Kmのキナルート・エコパークにサバ州森林開発公社と共同でマングローブの植林を開始しモニタリング調査を2回実施した。このマングローブの植林はサバ州では初めての試みである。 また,今年度のフィールドワークを実施した結果から将来の森林環境保全システムの構築と同時に,環境影響評価の分析も必要となる。 マングローブ林地帯の住民は,マングローブ林の豊かな恵みを活用しながら,生活に取り組んできた。住民の就業構造,生業との組み合わせで生活が成立してきている状況を調査する必要がある。今後の調査にマングローブ森林資源の利用と環境について地域ごとに実施することを課題とした。すなわち平成14年度,人間と自然の共存関係を大きく転換する人為的インパクトが増大している。そこで現在のマングローブ林地の転用形態,内容の過程について調査研究をした。 平成14年度から現地調査を進める場合,カウンターパートナーの位置づけが重要となり,マレーシア・サバ大学の協力を得た。
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