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2001 年度 実績報告書

ラバウルカルデラにおける浅部マグマ供給システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 13573002
研究機関北海道大学

研究代表者

西村 裕一  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20208226)

研究分担者 大場 武  東京工業大学, 火山流体研究センター, 助教授 (60203915)
中川 光弘  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50217684)
島村 英紀  北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10011636)
野上 健治  東京工業大学, 火山流体研究センター, 助手 (70251676)
キーワードラバウル / 津波 / 噴火災害 / 火山灰 / マグマ供給系
研究概要

今年度の現地調査は2001年12月に約3週間,西村と中川が中心となり,ラバウル火山観測所のIma Itikarai所長ら現地スタッフと共同で実施した.今回は主に1994年ラバウル噴火と津波の発生について検討するため,噴出物に基づく噴火経緯と津波堆積物の産状を調査した.
1994年のラバウル噴火津波は小さく,波高にして最大で5m程度と報告されている.津波堆積物としてもたらされた砂も,はかない薄層を形成したのみだったと推測される.通常ならこうした薄いイベント層は,ラバウルのような熱帯雨林地域ではすぐに洗い流されたりして消滅する可能性が高い.しかしながら,津波が発生した当時,ラバウル周辺には断続的に2つの火山からの火山灰が降り続いていた.また,さらに激しい降灰が噴火が始まった日の夜にあり,すべてを厚い火山灰の下に埋め尽くした.この火山灰により,打ち上げられた津波堆積物はそのままの産状でパックされてよく残されている.
津波堆積物の層は海岸から100m程度内陸までシート上に分布する.層厚や平均粒径は海からの距離に応じて減少する傾向があり,津波堆積物の一般的性質を満たしている.津波堆積物層は,少なくとも3層あり,これらは火山灰にサンドイッチされているため,それぞれを識別できた.これらを追跡することにより,津波の波高が最大で約7mであったこと,また発生したのはブルカン火山の噴火最盛期で,おそらくは大規模な火砕流かベースサージにより引き起こされたと推測される.今後は,採取した火山噴出物を室内で検討し,噴火経緯をより詳しく調べる予定である.
一方,来年度の調査項目である火山化学的な観測については,これまでの資料の収集と観測場所や項目の絞り込みを,現地スタッフと協議した.また,その際に必要となる消耗品については,その一部をすでに準備した.

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2014-04-28  

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