研究課題/領域番号 |
13573003
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
川上 紳一 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80183036)
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研究分担者 |
能田 成 熊本大学, 理学部, 教授 (30065841)
大野 照文 京都大学, 総合博物館, 教授 (40194245)
高野 雅夫 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (90262849)
道林 克禎 静岡大学, 理学部, 助教授 (20270978)
可児 智美 熊本大学, 理学部, 助手 (60332863)
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キーワード | 全球凍結仮説 / 原生代 / ナミビア / 炭酸塩岩 / 氷河堆積物 / 気候変動 / 縞状鉄鉱床 / 先カンブリア時代 |
研究概要 |
本研究の目的は、約7億年前の原生代後期に地球表面が全面的に凍結したとするスノーボール・アース仮説の検証を行うことである。昨年度の予備的調査で、マイエバーグ累層の縞状炭酸塩岩にカルスト不整合を発見した。この不整合の成因を解明するため、ナミビア北部のカオコランド地域で系統的な地質マッピングを行った。その際に、平成14年7月上旬に南アのヨハネスブルクで国際堆積学会が開催され、研究分担者の可児智美がこの学会で情報収集を行い、全球凍結仮説の物証の一つであるクリスタルファン構造についても現地調査を行った。問題の不整合は、縞状炭酸塩岩とチューブ状構造(ガスエスケープ構造)を示す炭酸塩岩の境界として認定され、チューブ状構造の成因について、ガスが抜けた孔であるとする解釈、地層の変形の際にできたとする構造地質学的解釈、生物の生痕化石であるとする解釈の妥当性を検討した。 また、フランスフォンテイン地域の氷河堆積物の変形構造を調査し、堆積時の氷河堆積物の厚さを算出した。 一方、ナミビア南部のナマ層群の露出する地域を調査し、エディアカラ生物群に属するプテリディニウムやスワルトプンティアの化石など多数のの化石を採集した。同じ露頭で採集した炭酸塩岩の古地磁気学的検討を行い、古地磁気学的研究が実行可能であることを明らかにした。また、氷河堆積物にはさまれる縞状鉄鉱床も全球凍結事件の物証とされており、現地の地主と継続的交渉の末、調査許可と予察的研究のための試料を確保した。
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