研究課題/領域番号 |
13573015
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 信敬 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (70002277)
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研究分担者 |
平野 高司 北海道大学, 農学研究科, 助教授 (20208838)
石井 吉之 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (40222955)
兒玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
知北 和久 北海道大学, 理学研究科, 助教授 (70142685)
浦野 慎一 北海道大学, 農学研究科, 教授 (40096780)
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キーワード | 蒸発量 / 土壌水分 / 炭酸ガス / 土壌呼吸量 / 顕熱 / 流出特性 / 水循環 / 永久凍土 |
研究概要 |
凍土の存在が水循環や炭酸ガス交換にどのような影響を与えているかを調査するために、アラスカ内陸部のカリブーポーカクリーク実験流域において、2002年夏期(7月〜8月)に顕熱、潜熱、炭酸ガス交換量の集中観測を行った。顕熱・潜熱フラックスは季節の進行により減少し、CO_2フラックスは概ね下向きで地上植生により吸収され、その量は季節の進行と共に減少する事が観測された。また融解層の厚さや土壌呼吸量の関係についても知見が得られた。同流域の南北斜面において夏期の降雨流出応答を比較観測した。なお、北斜面には夏期でも永久凍土が存在し南斜面の凍土は融解している。3回のいずれも総量20mm程度の降雨イベントに対し、北斜面では遅れが大きいながらも顕著な流出が起きたが、南斜面では目立った増水が見られなかった。北斜面における流出応答は凍土層やモス層の役割を考えることで説明がつくが、南斜面の流出応答のなさは説明がつかない。南斜面の植生は落葉広葉樹が主で表層土壌はリター層とシスト層からなる。日本のこうした森林斜面では普通は明瞭な流出応答が現れる。南斜面で何故このような特異な流出特性がみられるのか今後、解明しなければならない問題である。一方、6月と9月はカルカナ氷河流出河川において、水温、濁度、電導度及び懸濁物質の粒度、鉱物組成、灼熱減量を測定した。その結果、懸濁物質と流量の関係が2001年度と異なり、氷河底面排水システムに変化があったことが示唆された。
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