本研究の終了年度までの目的は、土地被覆(およびその変化)のグランドトルースデータベースを北・中央アジア(モンゴル、中国、カザフスタン、ロシア)において構築すること、およびそのデータベースに基づき土地被覆現況(および変化)図を作成することである。 平成13年度は、土地被覆分類システムの調査、標準土地被覆分類項目の提案、中国における現地調査を行った。以下にその概要を述べる。 (1)土地被覆分類システムの調査 土地被覆のグランドトルースデータベースの構築の先立ち、標準土地被覆分類項目を定義する必要がある。このため、グローバルな地域を対象とする既存の土地被覆分類項目およびその分類のニーズを調査した。この結果は、研究発表の「グローバルな土地利用・土地被覆・植生分類システムのレビュー」で公表している。 (2)標準土地被覆分類項目の提案 上記の調査の基づき、地球環境研究の分野で比較的多目的のニーズに合う標準土地被覆分類項目を提案した。これはFood and Agriculture Organization(FAO)が提案しているLand Cover Classification System(LCCS)に基づくものである。この成果は現在、国際学術論文として投稿中である。 (3)中国における現地調査 2001年7月から8月にかけて、中国東北部の延吉(Yanji)から内モンゴルの二連浩特(Erenhot)までの東西約1500kmを中国科学院植物研究所の研究員と共同で二台の車により土地被覆現地調査を行った。比較的遠くまで見渡せる土地被覆が一様な地域において、カメラ、GPSによりその土地被覆を記録し、グランドトルースデータを作成した。
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