本研究の終了年度までの目的は、土地被覆(およびその変化)のグランドトルースデータベースを北・中央アジア(モンゴル、中国、カザフスタン、ロシア)において構築すること、およびそのデータベースに基づき土地被覆現況(および変化)図を作成することである。 平成15年度は、土地被覆グランドトルースの品質評価の方法の確立および時系列衛星データによる土地被覆変化の抽出を行った。以下にその概要を述べる。 (1)土地被覆グランドトルースの品質評価の方法の確立 前年度までに収集した土地被覆グランドトルースデータに対して、その品質を検査し、ミスデータを除去する目的で、グランドトルースデータの検査手法を確立した。その方法は土地被覆タイプ毎にグランドトルースサイトの年間正規化植生指標(NDVI)のパターンをプロットし、他のサイトと異なるパターンを持つサイトを再確認する方法である。この方法により、既に収集したグランドトルースデータの一部の土地被覆分類項目を変更あるいは削除した。 (2)時系列衛星データによる土地被覆変化の抽出 1982年から2000年にかけてのAVHRRデータを用いて、土地被覆変化の可能性のある地域を抽出した。1982-84年の10-day composite AVHRR NDVIデータの平均と1998-2000年の平均とを比較し、閾値以上の差のある地域を土地被覆変化可能性地域とした。この結果、植生増加の変化地域と植生減少の変化地域とを抽出することができた。
|