研究概要 |
本研究では、集集地震被害の全容を現地調査するとともに、ほぼ同じような地震危険度の地域に発生したと考えられる1994年米国ノースリッジ地震、1995年兵庫県南部地震、1999年トルココジャエリ地震の被害発生過程についても詳細な調査を行う.その結果を相互比較することにより、将来発生すると予測されている東海地震や首都圏直下地震による地震防災対策に貢献することを目的としている. 本年度の研究成果は以下のとおりである. 1)地震動の生成・伝播・増幅特性メカニズムの解明:台湾、トルコ、日本、米国における最近の都市直下地震について強震動、震源および被害地での地質構造、震源断層の位置および震源断層パラメータ,被害の特徴の関連資料を、現地の関連研究機関・行政機関を訪問し、収集・整理しデータベースを作成した. 2)断層変位に基づく構造物被害の推定法の確立と構造物の設計法の開発:4ヶ国において地表面の現れた断層変位に関する資料収集を行なうとともに、現地の関連機関を訪問し、断層変位に基づく構造物の被害事例の調査と資料収集を行った. 3)震源近傍における設計用地震動を設定するために,収集した地震動を用い,震源近傍における応答スペクトルの特性ならびに地震動位相特性のモデル化を行った.モデル化した位相特性を用いて,位相情報から震源近傍の地震動をシュミレートする方法諭を確立した. 4)台湾国立地震工程研究所から,柴駿甫氏を招へいし,防災研究所研究所に34時間滞在してもらうことにより,1999年台湾収集地震で観測された地震断層近傍での地震記録を用いて,応答スペクトル準拠地震動を模擬するための方法諭を確立した.
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