研究分担者 |
二瓶 泰雄 東京理科大学, 理工学部, 専任講師 (60262268)
大石 哲 山梨大学, 工学部, 助教授 (30252521)
浦瀬 太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60272366)
波利井 佐紀 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30334535)
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研究概要 |
1.マニラ湾/ラグーナ湖連成系の水理・水質・生態環境調査および数値シミュレーションモデル開発 マニラ湾及びラグーナ湖の水理・水質環境に関する既存関連資料を収集するとともに,雨季にあたる2001年10月に2週間程度のブイ係留系による流速・水温・塩分・濁度・DO等の多点同時連続観測ならびに調査船による採水・STD観測をマニラ湾-パッシグ川-ラグーナ湖で行った.また,乾季にあたる2002年2月下旬に1週間程度,同様の観測をラグーナ湖とパッシグ川で行った.これらにより,マニラ湾-パッシグ川-ラグーナ湖の水理環境に関する基本データを得ることができた.具体的には,ラグーナ湖では,既存研究で知られている乾季での値に比べて雨季には栄養塩レベルがかなり小さくなること,ラグーナ湖では風系場の空間的な非一様性が顕著で,それに対応して成層の付き方にもかなり非一様性が見られること,パッシグ川では支川からの汚濁負荷がかなり大きいこと,レッドフィールド比がラグーナ湖内も含めて総じて16より小さく,窒素制限状態になっていること,逆にマニラ湾では16より大きく,リン制限状態になっていること.マニラ湾では底質からのリンの溶出が見られること,マニラ湾湾口部では流動場の3次元性が顕著であり,それに物質輸送の特徴が支配されていること,等が明らかになった.また,これらの水理・水質環境調査に平行して,マニラ湾とラグーナ湖を対象とした流動シミュレーションのための基本モデルを開発した.このうちマニラ湾に関しては,灘岡・二瓶らによる3次元海水流動モデル(Dual-σPOMモデル)をベースとし,またラグーナ湖に関しては田村・灘岡による準3次元浅水乱流モデル(SDS-Q3Dモデル)をペースとし,さらに密度流効果を導入して汎用化することを試みた. 2.周辺流域における水循環・物質循環調査 流域統合型広域環境システム・アプローチの基礎になる流域水循環に関する既存関連資料を広範に収集するとともに,2000年3月下旬には,現在も大きな土砂生産量を有するピナツボ火山流域における土砂生産量および下流域での土砂動態の評価を,メガダイク地域での現地調査により行う予定である.
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