研究課題/領域番号 |
13574008
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
梅于野 晁 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50108213)
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研究分担者 |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (60300513)
本間 博文 放送大学, 教養学部, 教授 (60016475)
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キーワード | 伝統集落 / 自然共生 / 保存 / 生活行為 / 民家 / 調査 / 河回村 / 韓国 |
研究概要 |
本研究は、韓国の伝統集落である安東河回村を対象として、建築史、建築計画、建築環境工学を中心とした境界領域分野における総合的な視点から、住空間の景観のみならず微気候特性も保存維持することを目的としている。実測調査を通じて再評価してきた住空間のデザイン規範に基づいて、これによって形成される景観や微気候特性を明らかにし、伝統集落の佇まいを保存するデザインの提案、および今後修復や歴史公園とする際に有機的な活用を図るための資料整備を行う。 本年度は2度の調査渡航を行った。第1回の渡航は8月16日〜26日で、河回村における住空間のデザイン規範を韓国内に点在する伝統集落の中で位置付けることを目的として、韓国民俗村、外岩村、上院村、良洞村、河回村、水島村、梧麓村、酉谷村を踏査した。主に、各村における伝統的空間の保存状態や意識についての情報収集を行い、歴史的資産を活用しながら自然共生型住空間を維持するための手法についてディスカッションを行った。第2回の渡航は2月23日〜3月11日で、河回村における住宅の暖房使用に着目した厳寒期の熱環境調査、および集落に関しては外部空間の材料構成、集落周辺風の日変化、土塀道周辺を流れる風の性状、人工林(萬松亭)の微気候形成に対する役割に関する調査を行った。特に、冬季におけるこの地域独特の強い北西風に対して、人工林や土塀道が有効な防風手段となっていることが指摘された。
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