研究課題/領域番号 |
13574008
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
梅干野 晁 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50108213)
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研究分担者 |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (60300513)
本間 博文 放送大学, 教養学部, 教授 (60016475)
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キーワード | 伝統集落 / 自然共生 / 保存 / 生活行為 / 民家 / 調査 / 河回村 / 韓国 |
研究概要 |
今年度は2002年7月20〜8月25日に、韓国慶尚北道安東郡豊川面に残された伝統集落、河回村を対象に、実地調査を行った。本年度は主に河回村の屋外空間に形成される微気候および、対照的な方法で改修された二つの両班住宅の内部気候特性について熱環境実測およびその分析を行った。以下にその成果を示す。 1.土塀道周辺を流れる風の性状:全長3800mに至る塀により構成されている路地の風性状を計測し、夏季における微弱な風を集落内部へ導入し排熱するメカニズムを明らかにした。 2.土塀道内防暑空間の微気候評価:塀や路面・樹木といった構成材料やその配置の条件が異なる道路空間を対象とし、夏季の快晴日に熱環境の日変化について実測を行い、伝統的な土塀と未舗装の路地、植栽の有効な組み合わせにより夏季の防暑空間が形成されていることを明らかにした。 3.対照的な方法で保存改修された住宅における熱環境の比較:伝統的建築方法をできる限り保存する方針で内部空間を改修した住宅と、現実的な問題に対して安易に現代的な材料や方法により改修を行った住宅の二つを比較対象として、住宅における中庭および室内空間の熱環境評価を行い、伝統住宅における保存改修の方向性を検討した。 4.アンマダン(内庭)-アンデチョン(内大庁)-アンバン(内房)にかけての熱環境の変化:代表住宅である忠孝堂における、道路-塀-裏庭-大庁-アンマダンの間の風性状と各空間の熱環境の遷移について、塀の高さや植栽の効果の視点から実測を行い、その関連性を明らかにした。 以上の成果については、来年度に開催される日本建築学会大会にて発表する予定である
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