研究課題/領域番号 |
13575006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
湯本 貴和 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (70192804)
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研究分担者 |
野間 直彦 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (80305557)
丸橋 珠樹 武蔵大学, 人文学部, 教授 (20190564)
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キーワード | 種子散布 / 種子捕食 / サイチョウ / ブタオザル / カオヤイ / 熱帯季節林 / ネズミ / ゾウムシ |
研究概要 |
東南アジア熱帯林で、種子散布と種子捕食についての以下の研究を行なった。1.タイ・カオヤイ国立公園で自動撮影装置を使って、254種の果実種について地上での果実消費者を調べた。その結果、ネズミ科のMaxomys suriferは調査した植物種の90%以上の果実で観察され、例えばMastixia pentandra(ミズキ科)、Aglaia spectabilis(センダン科)、Canarium euphyllum(カンラン科)、Platea latifolia(クロタキカズラ科)のようないくつかの植物種の果実を、その場から咥えて運び去ることが判明した。2.同じ調査地で捕獲調査によって小哺乳類の個体群動態を調べた。その結果、Maxomys suriferの繁殖期とNiviventer bukitの繁殖期が異なり、特にNiviventer bukitは果実資源の少ない乾季に繁殖を行う可能性が示唆された。そしてNiviventer bukitの個体数はイチジクの果実量の季節変動と有意な相関があった。3.同じ調査地で樹上における果実消費を直接観察とサイチョウの巣への持ち帰り種子によって調査した。その結果、果実のサイズによって消費する動物種が判別されることがわかった。4.同じ調査地でブタオザルの遊動と食物変化の調査を行なった。ブタオザルは果実の多い時期には成熟果実を食べるが、不足すると未熟果実を食べ若い種子を捕食することがわかった。5.マレーシア・パソ森林保護区で、一斉開化で結実したShorea属7種について飼育実験によって、種子捕食昆虫相を調べた。節の共通な6種では同種のゾウムシとキクイムシを種間で共有したが、節の異なる1種では異種のゾウムシが採集された。
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