研究課題/領域番号 |
13575014
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
松浦 啓一 国立科学博物館, 動物研究部, 室長 (70141984)
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研究分担者 |
倉持 利明 国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (80277590)
窪寺 恒己 国立科学博物館, 動物研究部, 室長 (80170041)
武田 正倫 国立科学博物館, 動物研究部, 部長 (20000143)
藤田 敏彦 国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (70222263)
斉藤 寛 国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (00259996)
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キーワード | ベトナム / 海産動物 / 浅海 / 種 / 多様性 / 分類 / 動物相 / 動物地理 |
研究概要 |
ベトナム沿岸において平成14年の8月と9月に浅海性動物の調査を行った。調査地点は、北部ではハイフォンとカトバ、南部ではニャチャンである。調査実施に当たって、ベトナム国立水産研究所および国立海洋研究所の全面的な支援を受けた。北部の調査地点はトンキン湾の湾奥に位置し、砂泥底の環境であり、南部はサンゴ礁やマングローブが発達する地域であった。北部の調査はトロール船をチャーターして行い、水深30m前後から底性動物を採集した。また、カトバ周辺のハロン湾ではスキューバ潜水による調査も行った。南部のニャチャンにおいてはスキューバ潜水調査をサンゴ礁域で集中的に行った。また、同時に魚市場採集や漁師による大型標本の入手も試みた。 今回の調査によってベトナム北部のトンキン湾には亜熱帯性の浅海動物が生息している一方で温帯性の海産動物も分布していることが明らかになった。採集した標本の暫定的な同定結果を見ると、日本との共通種が予想以上に多いことが判明した。また、トンキン湾におけるトロール調査によって得られた採集物から判断すると強い漁獲圧によって、トンキン湾の底性動物は減少し、多様性にも影響が出ているようである。南部のニャチャンでは、サンゴに生息する小型甲殻類をはじめとして、分類学的に興味深い標本を採集することができた。その中にはこれまでベトナムから報告されたことがなかった魚類や甲殻類も含まれ、新種の可能性が高い種も存在する。
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