研究課題/領域番号 |
13575021
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
齋藤 裕 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20142698)
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研究分担者 |
高久 元 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40236203)
大崎 直太 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70127059)
後藤 哲雄 茨城大学, 農学部, 教授 (60178449)
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30241368)
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キーワード | ハダニ / カブリダニ / rDNA / 系統 / 分類 / 種多様性 / 中国 / タイ国 |
研究概要 |
平成13年度には、代表者齋藤・分担者大崎が9月に中国に調査に入り、海外研究者の援助のもとに、福建省をの山岳地域において主にイネ科草本とササタケ類に寄生するハダニ類およびその天敵類を多数採集した。また、時期をずらして、分担者後藤が南京、広州および福建省において寄主植物をさらに広範囲に拡大してハダニ類の採集調査を実施した。これらの採集されたハダニ類のうち、Schizotetranychus nanjingensisについては、rDNAの28S領域の944bpの塩基配列を決定した。 また、日本と中国およびタイのハダニ相の比較研究の基礎として、わが国におけるハダニ類の調査・採集を複数回実施し、大陸と共通性の高いイネ科およびササタケのハダニ類から、3種の未記載種を発見した。これらは、現在ススキスゴモリハダニLW型、タケスゴモリハダニLM型およびS型と仮称して、新種記載論文を作成中である。 さらに、上記の3型および既記載種であるケナガスゴモリハダニ、タケスゴモリハダニおよびススキスゴモリハダニ、さらに中国のS.nanjingensisのDNA28S領域の塩基配列をもとに系統分析を試みた結果、この種が、わが国の種を中心に形成されているcelarius種群の中に含まれること、さらに他のハダニ類を加えた系統分析から、celarius種群が、Schizotetranychus属から分離し、単独の属を形成するに足るクレードを成すことが判明した。 さらに、中国の海外研究者の協力の下に、わが国のササタケに発生し、上記celarius種群の主要な天敵となっているホコリダニの1種が新種であること、また捕食性のホコリダニは極めて希な存在であることが判明し、現在海外研究者と共同で、この種を新種として記載した論文を投稿中である。
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