研究課題/領域番号 |
13575021
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
齋藤 裕 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20142698)
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研究分担者 |
高久 元 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (40236203)
大崎 直太 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70127059)
後藤 哲雄 茨城大学, 農学部, 教授 (60178449)
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30241368)
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キーワード | ハダニ / カブリダニ / rDNA / 分子系統 / 分類学 / 種多様性 / 中国 / タイ王国 |
研究概要 |
平成14年度は前年度の分子系統解析から、ハダニ類のうちでイネ、タケ科植物寄生性のcelarius種群が、現在おかれているSchizotetranychus属から分離すべきことが明らかになったことから、この群を中心に調査・採集を強化した。その結果、このグループが1つの独立した属を形成していることが明らかになった。この結果に基き、5月中旬に、海外共同研究者の代表であるZhang Y-X,およびタイ国のM. Kongchuensin氏を招聘し、日本の研究代表者および分担者と協議した。その結果をもとに、日本における新種2種、またその天敵1種についての新種記載を行い、公表する準備が完了した。また、日本に分布するcelarius種群の重要天敵であるササモリホコリダニを新種として記載し公表した。 8月に研究代表者は、中国福建省において、現地の海外共同研究者とともに、南平県、小松鎮、武夷山等で野外調査を実施した。本調査においては、ハダニ類についてイネ・タケ科寄生種を中心に採集し、DNAサンプルについても充分確保した。また、研究代表者および研究分担者佐原は、8月にタイ王国において、現地研究者とともにハダニの採集調査を実施した。 10月に研究分担者後藤が福建省において、現地共同研究者とともに南平県、小松鎮、武夷山等の農耕地を中心に現地採集調査を実施した。また12月には、研究分担者高久がタイにおいて、ハエダニ類の採集調査を実施した。 上記採集調査において得られたDNA標本に基づき、幾つかの領域の配列変異を検討した結果、中国と日本に分布するcelarius種群と、マレーシア、タイのBambusaに寄生する同じ生活型をもつハダニのグループとは、系統的に近縁だが別の「属」とすべきだという結果を得た。これらをどう分類するか、それが次年度の最重要課題となった。
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