研究概要 |
研究目的 マレーシアサラワク州のランビル国立公園に1992年に完成した、世界最大級の大面積林木個体群調査区(52ha,500m×1040m方形区)を利用して、空中からのステレオ写真データを用いることにより、林冠構造の広域的な把握を行い、林冠表層構造の数値標高モデル(Digital Elevation Model(DEM))を完成させる。またこの調査区内の林冠表層のDEMデータに対応する地上でのDEMデータを完成し、その両者の差から林冠高を算出し、大面積調査区全体の林冠高DEMデータを完成させる。このデータにより、林冠ギャップの抽出・林冠表層構造の空間的不均一性の解析を行う。完成した林冠表層構造を調査区全域の35万8千本の毎木位置データとの重ねあわせを行い、生態系機能、特にバイオマス量の空間変動との対応を解析する。 研究概要 マレーシア連邦サラワク州ランビル国立公園内の大面積林木個体群方形区(52ha)で、林冠表層の数値標高モデル(DEM)データ測定のための、対空標識設置、航空写真撮影を実施した。このための調査で、大久保は林冠表層DEMデータに関する調査を現地で行うため外国旅費を使用した。共同研究者の伊東は地上DEMデータの整備を国内にて行なった。海外共同研究者のLee Hua Seng ・ Lucy Chong氏は、現地調査の際、サラワク森林局、現地航空写真測量会社と共同で調査を行う際の総合研究企画調整をお願いし、Sylvester Tan氏は現地での直接的なデータ収集指導をお願いした。林冠表層DEMデータは、撮影された航空写真を図化機にかけ、5mごとの方形区の交点ごとの林冠表層DEMデータを作成し、林冠表層面の等値線図を作成した。また、林冠表層DEMデータ作成は、すべて現地測量会社(マレーシア国クアラルンプールのJURKUR PERDUNG社)に業務委託し、そのデータを記録媒体で購入した。その他、国内解析に必要な消耗品を購入した。さらに、完成した数値標高モデル(DEM)データについて、地上高を加味した林冠表層構造の数値標高データを算出し、その空間分布様式を解析した。その後、数値標高データと全立木の座標値、直径、樹種情報を林冠表層構造の数値標高データとオーバーレイさせ、バイオマス量の空間分布と林冠表層の数値標高データとの対応関係を解析した。
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