研究課題/領域番号 |
13575032
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山内 章 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30230303)
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研究分担者 |
門平 睦代 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 助教授 (20313976)
飯嶋 盛雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60252277)
巽 二郎 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00163486)
矢野 勝也 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (00283424)
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キーワード | Ipomoea batatas / キャッサバ / Manihot esculenta Crantz / 水ストレス / 根 / サツマイモ / 耐旱性 |
研究概要 |
昨年度までの成果に基づき、キャッサバ品種の中から、耐旱性の大きいものと、小さいものを3品種ずつ選定し、土壌乾燥ストレスに対する、生育ならびに水分生理反応を詳細に調べた。その際には、これまでと同様に、乾物生産=水消費量(蒸散量)×水利用効率の考え方を適用して解析を進めた。 乾物生産能から耐旱性大と評価されたPSB cv19とRayong5は、他品種と比べ乾燥ストレス条件下で、葉面積、葉の展開速度、草丈増加速度が大きく、落葉数が少なかった。また、気孔が鋭敏に反応した結果、気孔伝導度が小さく、日中の葉の水ポテンシャルを高く維持する傾向があった。水消費量は乾燥ストレス処理によって平均で71%減少した一方、水利用効率は77%増加した。乾燥条件下での乾物生産能の品種間差異は、水消費量ではなく、水利用効率の品種間差異によってよく説明できた。耐旱性小と評価されたZapoteでは、乾燥ストレス処理に対して気孔反応は鈍く、また水利用効率も上昇しなかった。これに対して、乾燥ストレス処理後の再潅水に対する反応は、耐旱性が小さい品種の方が、大きい品種より鋭敏であった。たとえば、耐旱性小のZapoteやVC4は、再潅水に反応して、草丈、葉数、葉面積の回復が早く、落葉も少なかった。これにともなって、気孔伝導度、葉の水ポテンシャル、ならびに光合成速度の回復も早かった。このように、ストレス解除後の回復も耐旱性評価において考慮すべき形質であることが判明した。 また、耐旱性の大きい品種として、PSB cv-19とRayong5、小さい品種としてVC4とPSB cv11、対照品種としてGolden yellowを用い、収穫期まで生育させる圃場試験を行った。その結果は、ポット試験で評価した耐旱性をほぼ支持した。とくに、Rayong5と、これまで広範に農家に受け入れられてきたGolden yellowの耐旱性が高いことが示された。
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