研究課題/領域番号 |
13575032
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生物資源科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山内 章 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30230303)
|
研究分担者 |
門平 睦代 名古屋大学, 農学国際教育研究センター, 助教授 (20313976)
飯嶋 盛雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60252277)
巽 二郎 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00163486)
矢野 勝也 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (00283424)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
キーワード | Ipomoea batatas / キャッサバ / Manihot eschlenta Crants / 水消費 / 水ストレス / 水利用効率 / サツマイモ / 耐旱性 |
研究概要 |
本研究は、サツマイモ、キャッサバにおける耐旱性品種の育成や乾燥ストレスが問題になっている地域における栽培技術の確立のための基礎的な知見を提供することを目的とした。フィリピン共和国のLeyte State University附属Philippine Root Crop Research and Training Centerと共同で、両種の品種・系統の耐旱性評価を通じ、耐旱性に関わる形質を特定しようとした。そのため、同研究所所有のものに加え、新たに広範な地城から遺伝資源を探索、収集し、評価に供した。また、同時に農家調査を実施し、農民の品種や栽堵技術を選択・導入基準を慎重に検討した。その結果、耐早性は、収量や品質と並んで、選択における重要な形質であることが裏付けられたが、市場性等他の様々な要因を総合的に判断していることが明らかとなり、今後の重要課題として残した。 キャッサバを対象にしたポット実験には、計28品種・系統を供試した。乾物生産=水消費量(蒸散量)×水利用効率の考え方を適用して解析を進めた。乾燥ストレス条件下で相対的に乾物生産が大きく、耐旱性の大きいと判定された品種は、乾燥ストレスに対し、水利用効率を上昇させ、気孔を鋭敏に反応させ、また、根-地上部率を増加させた。サツマイモについては18品種を対象にし、耐旱性が大きい品種は、乾燥条件下で、夜明け前、日中に葉身水ポテンシャルを高く維持する能力があり、気孔の反応も鋭敏であった。また、キャッサバとは対照的に、水消費量の差異が、品種・系統間差異をよく説明した。 圃場試験の結果は、ポット試験で評価した耐旱性をほぼ支持した。とくに、これまで広範に農家に受け入れられてきた品種の耐旱性が高いことが示された。 これらから得られた知見を実際の育種や栽培技術の改良に活かすためには、今後は、遺伝子型×環境相互作用の評価が必須である。
|