研究課題/領域番号 |
13575037
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
星 正治 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50099090)
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研究分担者 |
山本 正儀 金沢大学, 理学部, 助教授 (10121295)
遠藤 暁 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90243609)
高田 純 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (00274134)
吉川 勲 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80039528)
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キーワード | セミパラチンスク / 核兵器実験 / フォールアウト / 環境放射能 / 土壌汚染 / 外部被曝線量 / 被曝者 |
研究概要 |
本年の調査は、2手に分かれた。平成13年8月には甲状腺と歯科の検診チームで、1週間かけて、1.ドロン、2.コクペクティ、3.サルジャル、4.カイナル、5.カラウル、の5カ所を検診した。検診は各地で約30-50名を検診し、合計約200名となった。検診の内容は、1.超音波検診装置による甲状腺の検査、血液の採取による甲状腺関係ホルモンの検査、尿中のヨードの測定など、2.血液の採取による、染色体異常や小核検査、以上は大人を対象とした。3.虫歯の調査と、採血による遺伝子の検査、等である。まだ最終結果は出ていないが、超音波による検診の結果からは甲状腺の異常を見いだした。尿中のヨードはチェルノブイリと比べて大きく異なり、ヨードの欠乏者はなかった。染色体異常については現在も観察中である。歯科の検診では被曝地のサルジャル村と非被曝地と考えられるコクペクティで大きな差があることがわかった。また関連の遺伝子に関しても違いがわかってきた。 もう一つのグループは、環境汚染調査である。9月にアルマティからセミパラチンスクまで車で中国国境地帯を2000kmも移動しながら進めていった。主な場所は、ジャルケント、タルドコロガン、アヤグス、タスケスケン、マカンチ、バフテル、コクペクティ、ドロン、セミパラチンスクの核実験場内であった。ここでは、煉瓦の採取、土壌の採取、被曝時の行動に関する聞き取り調査などであった。まだ結果はでていないが、一昨年までの結果から、1.セシウム、プルトニウムなどの土壌汚染はマカンチ方面でやや高い地域があるものの汚染のレベルは、現状ではそれほど高くない。プルトニウムは核実験場近くでレベルは低いものの汚染の程度が大きくなる。2.煉瓦の測定による線量に関しては、ジャルケントでやや高い可能性があったので、今回再調査した。
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