研究課題/領域番号 |
13575039
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
伊藤 守 実験動物中央研究所, 免疫研究室, 室長 (00176364)
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研究分担者 |
奥 祐三郎 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (60133716)
佐藤 宏 弘前大学, 医学部・寄生虫学, 助手 (90211945)
神谷 晴夫 弘前大学, 医学部・寄生虫学, 教授 (70002079)
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キーワード | スナネズミ / 中国 / 実験動物化 / 感染症モデル / 免疫 |
研究概要 |
中国産スナネズミの実験動物化を目的として、平成13年9月5日より9月21日までの約2週間の期間、中華人民共和国、新彊・ウイグル自治州で、スナネズミを中心とした野生小動物捕獲調査を行った。捕獲地域はウルムチ(地方病防治研究所)よりイリ地区までの自治州西方地域で、4種のスナネズミを含む10種270匹を捕獲した。寄生虫検査の結果、少なくとも原虫を含む寄生虫8種が検出された。しかし、実験的に感受性が高いと思われるスナネズミでのトリパノソーマ感染は今回の調査では検出できなかった。上記のスナネズミを使って、予備的な免疫学的研究を行った。すなわち、野生スナネズミでの旋毛虫感染におけるIgAモノクローナル抗体の効果の検討、および抗スナネズミ(M.unguiculatus)モノクローナル抗体の野生スナネズミへの効果の検討-を行った。その結果、M.unguiculatusと同様に野生スナネズミではIgA抗体の効果は認められなかった。また、M.unguiculatuで作製された抗体-T細胞表面抗原、Thy-1抗原等に対して開発したモノクローナル抗体(HUSM-M.g.15,HUSM-M.g.40など)は、野生4種のスナネズミには効果を示さなかった。以上の結果は、野生スナネズミはM.unguiculatusの形質を保持するものも、必ずしも同一の反応を示すむのではないことが示唆された。感染実験として、リーシュマニア感染実験を行った。また、従来のM.unguiculatusと今回捕獲された4種の野生スナネズミの系統進化学的検索のためのDNAの解析を現在行っている。
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