研究課題
基盤研究(B)
中国産スナネズミ類の実験動物化を目的として、2001年から2003年にかけて3回の中国の新彊・ウイグル自治州で、中国共同研究者とともにスナネズミ類を中心とした野生小動物捕獲調査およびそれら動物を用いたヒト病原体の感染実験を行った。3回の野外調査研究は、新彊・ウイグル自治州の北西部のイリ地区、南部のキモ地区および西部のカシュガル、ホータン地区で行い、スナネズミ類を含め、10種類、計340匹の小型齧歯類を捕獲した。それらの寄生虫検査、糞便検査およびDNA採取を行った。捕獲したスナネズミ類の糞便を用いたPCR解析により、これら動物からは各々スナネズミ由来のHelicobater spp.が検出されたが、Helicobater pyloriは検出されなかった。中国産スナネズミ類4~5種への感染実験は、Helicobacter pylori、Trichinera spilaris、Echinococcus spp、Leishmania innfantumなどの感染病原体または寄生虫を用いて実施し、それらスナネズミ類の感染感受性を比較した。中国に分布するスナネズミ類7種の系統進化を明らかにする目的で、捕獲した動物から採取したDNAを用いて、mitochondria cytochrome b(Cyb)とoxidase subunit II(COII)遺伝子について塩基配列を決定した。これら配列はGenBankに登録され、今後、世界のスナネズミの系統進化を研究する上で貴重なデータとなると考えられる。その配列を使って、中国産スナネズミ類縁関係を明らかにでき、そのうち、Meriones meridianusに地域変異が大きいこと、独立種として考えられてきたM.chengiがM.meridianusのシノニムであることを明らかにした。
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