研究課題/領域番号 |
13576002
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鳥山 寛 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (00108359)
|
研究分担者 |
熊取 厚志 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60244092)
千馬 正敬 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60216562)
藤田 修一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助手 (00181355)
|
キーワード | 悪性腫瘍 / 発癌ウィルス / 分子生物学 / タイ / ケニア |
研究概要 |
平成16年度は研究代表者がタイにおいて前年度に継続して陰茎癌、肝細胞癌、子宮頸癌を主に発癌ウィルス関連悪性腫瘍の疫学および組織学的調査をおこない、収集した組織標本を材料に、研究分担者が発癌ウィルスの感染実態と、特に、陰茎癌におけるヒトパピローマウィルス(HPV)の遺伝子型の分布を検索した。また、タイ、ラオスにおいてはB型(HBV)およびC型肝炎ウィルス(HCV)、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)の血清疫学調査をおこなうとともに、HBV、HCVの遺伝子型を解析した。 I.陰茎癌の調査・研究では、1)タイ北部では陰茎癌の全悪性腫瘍における頻度は日本の30倍に達する、2)組織学的にほとんどが浸潤癌で、80%以上が高分化型扁平上皮癌であった、3)HPV感染率はISH法で64%、PCR法では95%と高率であった、4)PCR法によるHPV遺伝子解析では、low risk groupに属するHPV-6の感染が多く、他の地域からの報告が多いhigh risk groupに属するHPV-16の感染は皆無であった、などの結果を得、現在論文作成中である。 II.HBVの遺伝子解析では、タイ北部においてC型が大部分を占めることを明らかにし、現在論文作成中である。 III.HCVの遺伝子解析では、1)タイ北部において3a型と6型が過半数を占める、などの結果を得、現在論文作成中である。また、2)新たな遺伝子型を示すHCVを発見し、現在、その詳細な遺伝子配列を継続して検索中である。 IV.ラオスにおけるHBV、HCV、HIVの血清疫学調査では、HCVおよびHIV感染が近隣諸国に比べ、低率であるなどの結果を得、現在検索を続行中である。 V.慢性B型肝炎患者での肝細胞癌発生の危険因子として血液中のウィルス量が強く関わっていることを明らかにし、論文発表した。 VI.ケニアでの標本を材料としてバーキットリンパ腫の組織学的特徴である「星空像」形成機序を明らかにし、論文発表した。
|