研究課題/領域番号 |
13576018
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (90081661)
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研究分担者 |
中井 泉 東京理科大学, 理学部, 教授 (90155648)
相川 浩幸 東海大学, 医学部, 講師 (40102850)
吉田 貴彦 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90200998)
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キーワード | 慢性砒素中毒 / 中国 / 疫学 / 予防 / 井戸水 / 発ガン性 / DNA損傷 / 8-OHdG |
研究概要 |
現在、中国には飲料水(井戸水)への砒素汚染から約300万人の高濃度砒素曝露者おり、そのうち既に3-5万人が慢性砒素中毒の症状を出現している。慢性砒素中毒の主要な症状は、色素沈着、色素脱色、角化症、皮膚がん、肺癌などで、特に、患者め大部分は農民であることから、手や足に発生する重度な角化症の痛みにより日常生活や農作業に支障が出ている。 調査研究の対象地域は、内モンゴル自治区包頭市が中心となった。調査研究には包頭市衛生局、中国側の共同研究者である中国医科大学公衆衛生院孫貴範教授とその研究グループ(教員と大学院生)、そして、日本側研究者3名が参加した。研究目的は、慢性砒素中毒患者の改善と予防対策の確立、そして、発癌性のリスク評価法のなどについて研究を試みた。 本年度の研究は、包頭市土黙特右旗地域で発生している慢性砒素中毒に関して、その原因である井戸水中砒素の改善、具体的には砒素汚染のない(少ない)井戸水を利用しての病気予防、そして、地域住民への保健衛生教育の取り組みの確立にあった。 土黙特右旗は包頭市の西40km、フルホト市の東120kmの位置にあり、人口は34万人、17村からなっている。生活は農業が主体である。住民は漢民族と蒙古民族である。住民の10%に慢性砒素中毒の症状が確認されている。井戸水の改水対象は14村、住民は約11000名で、村民に配水される井戸水中砒素濃度は中国の飲料水基準0.05mg/L(ppm)以内(地下水に対する化学的な処理は実施されていない)である。包頭市衛生局地方病課は、我々の指導のもと、2種類の壁に貼るパンフレットと配布資料を作成し、公共施設や家庭内での掲示、そして、各家庭へ資料を配布して、慢性砒素中毒の予防対策の一つとしての衛生教育に関する啓蒙活動を開始した。 砒素曝露からの発癌性のリスク評価は、尿中8-OHdG濃度の測定が有効であることが明らかとなった。また、中国人健常者の尿中8-OHdG濃度の正常値は14±9.0ng/mgクレアチニンであった。
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