研究課題/領域番号 |
13576021
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研究機関 | 佐賀大学(医学部) |
研究代表者 |
木林 和彦 佐賀大学, 医学部, 教授 (20244113)
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研究分担者 |
米満 孝聖 熊本大学, 医学部, 講師 (10128332)
猩々 英紀 佐賀大学, 医学部, 助手 (60284626)
恒成 茂行 熊本大学, 医学部, 教授 (80040202)
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キーワード | 国際研究者交流 / タンザニア連合共和国 / 後天性免疫不全症候群 / HIV / 神経病理 / 結核 / クリプトコッカス / トキソプラズマ |
研究概要 |
本研究はタンザニア連合共和国ダルエスサラーム市のムヒンビリ大学医学部病理学講座との国際共同研究であり、当地におけるエイズ患者の神経病変の種類と頻度を調査し、その結果を臨床医学に還元し、アフリカのエイズ患者を救済することを目的とする。 1.研究分担者の狸々英紀が平成16年2月14〜22日にダルエスサラーム市に出張し、海外共同研究者のPaul M.Ng' walali、Martin P.Mbondeと共に法医解剖例についてELISA法によるHIV感染のスクリーニング検査を実施した。 2.研究代表者の木林和彦が平成16年2月28〜3月7日にダルエスサラーム市に出張し、海外共同研究者のPaul M.Ng' walali、Martin P.Mbondeと共に法医解剖例についてELISA法によるHIV感染のスクリーニング検査を実施した。また、本研究の継続のために、ムヒンビリ大学医学部の医師・技術者と今後の研究計画について議論した。 3.現在までにHIV感染が強く示唆される法医解剖231例についてELISA法によるHIV1/2のスクリーニング検査とウエスタンブロットによる確定診断を行ったところ74例(32%)でHIV-1の感染が確認された。年度別では、平成15年度は平成13・14年度よりも感染率が低い傾向にあり、現地での献血者と病院受診者の感染率の低下との関係が示唆された。また、感染原因は殆どの例で異性間性交渉であった。感染者は非感染者と比較して脳の日和見感染症を高頻度に合併しており、脳結核が最も多い合併症であり、クリプトコッカス脳炎、トキソプラズマ脳炎も認められた。 4.剖検時の術者のHIV感染防止は感染者の多い国では急務の対策課題である。HIV暴露時には抗レトロウイルス薬服用による感染防止が必要であるが、アフリカ諸国では薬の入手が困難である。また、感染者は結核を高頻度に合併しており、結核感染防止のためにN95マスクなどの消耗品も揃える必要がある。
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