研究課題/領域番号 |
13576021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 佐賀大学(医学部) |
研究代表者 |
木林 和彦 佐賀大学, 医学部, 教授 (20244113)
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研究分担者 |
米満 孝聖 熊本大学, 医学部, 講師 (10128332)
猩々 英紀 佐賀大学, 医学部, 助手 (60284626)
恒成 茂行 熊本大学, 医学部, 教授 (80040202)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 国際研究者交流 / タンザニア連合共和国 / 後天性免疫不全症候群 / HIV / 神経病理 / 結核 / クリプトコッカス / トキソプラズマ |
研究概要 |
1.タンザニア連合共和国ダルエスサラーム市における法医解剖について、HIV感染の疑いのある症例から感染者とエイズ患者を抽出し、神経病変の種類と頻度の調査並びにエイズ脳炎の発症機序に関する研究を行った。 2.法医解剖218例中78例(35.8%)でHIV感染を確認した。感染経路の多くは異性間性交渉であり、女性の感染者が比較的多く、タンザニアでは異性間性交渉による女性の感染者が多いことを認識した。また、HIV感染者は非感染者と比較して臨床的に肺結核を高頻度に合併していた。 3.HIV感染者の神経病変としてリンパ球性髄膜炎が高頻度に認められた。しかし、HIVの脳内侵入を示すHIV脳炎は認められなかった。タンザニアでは感染者は肺結核等でHIV感染後早期に死亡する例が多いため、キャリアに認められるリンパ球性髄膜炎が高頻度であり、感染後期に生じるとされているHIVの脳内侵入は無かったものと考えられた。なお、脳病変周辺部にHIVは確認されなく、HIVの脳内侵入には脳局所状態よりも全身状態が関係していると考えられた。 4.感染者の神経病変の特徴として結核菌と一般細菌による髄膜脳炎が多いことが明らかになった。また、脳の日和見感染症として脳結核、クリプトコッカス脳炎、トキソプラズマ脳炎が認められた。さらに、全身の日和見感染症として肺結核、粟粒結核、全身性クリプトコッカス症が認められた。本研究によって現地での感染者の神経病変の種類と頻度が明らかとなり、本研究の結果は現地でのエイズ患者の臨床に役立つものと期待される。
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