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2001 年度 実績報告書

フランス共和制の哲学とグローバリゼーション―普遍主義的国民国家とその外部

研究課題

研究課題/領域番号 13610003
研究機関東京大学

研究代表者

増田 一夫  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70209435)

キーワードクレオール / 非宗教性 / ヴィヴィオルカ / アーレント / 多文化主義
研究概要

同じ共和制という語彙であっても、大西洋の両岸では意味が異なる。フランス共和制の標語である「自由・平等・博愛」は、「非宗教性・民主主義・杜会性」と翻訳されることがある。しかし、後の三語のうちで、アメリカ共和制の標語としても妥当するのは第二の語のみである。この差違は、政治を語る哲学的言説にも認められる。それを確認するために、今年度も以前から手がけていたH.アーレント『革命について』の検証を続けた。
また、グローバル化(多民族化、他文化化)の中で、「唯一にして不可分」の国民国家として想定された共和制が動揺しているとの議論が、フランスにおいて行なわれている。本年度は特にD.シュナペール, M.ヴィヴィオルカ, D.ラペロニーらの論考を通じて、この問題を考察した。
上記2研究は、まだ文章にまとめるにはいたっておらず、来年度以降に発表する予定である。
今年度は、クレオールに関する論文をまとめた。クレオールは、植民地帝国を展開したフランス共和制をいわば外側から見、さらにはグローバル化をこうむった先駆者でもある。その過去から、フランス流普遍主義を、単なる形式的普遍主義であるとして批判している。その批判は妥当であるが、彼らの言説は、普遍主義の全否定というよりも、普遍性の真の実現をめぐる要求との側面を持っていることに注目しなければならない。
本年度の最後に、約10日間フランスに出張をする予定である。まずは、。閲覧の困難な資料を入手・確認するため。さらには、ヨーロッパ統合やグローバル化について活発に発言する哲学者(J.デリダ、D.ベンサイド、A.マトラールなど)たちとの情報交換を行なうためである。それによって、現在進行中の共和制言説を、より適切に把握できることを期待している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 遠藤泰生, 木村秀雄, 増田一夫, 他: "クレオールのかたち--カリブ地域文化論"東京大学出版会(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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