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2003 年度 実績報告書

フランス共和制の哲学とグローバリゼーション―普遍主義的国民国家とその外部

研究課題

研究課題/領域番号 13610003
研究機関東京大学

研究代表者

増田 一夫  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70209435)

キーワードフランス / 民主主義 / 悲宗教性 / アメリカ
研究概要

今年度の研究は、大きくわけて2つの軸に沿って展開された。
1.フランス共和制をめぐる言説を考えるにあたって、アメリカの共和制との対比が一つの論点になることは予想済みであったが、今年度はイラク戦争の勃発とその批判もしくは正当化に関する言説が世界的に論断をにぎわせた。その中には、アメリカの民主主義および共和制について多くの示唆を与えるものがあったので、とりわけ年度の前半は丹念に(R.ケーガン、P.ケネディ等)アメリカにおける言説を分析した。その一部は、「正義のポリティックス」(三浦信孝編『来るべき民主主義-反グローバリズムの政治哲学』藤原書店、2003年所収)の形で発表されている。
2.年度後半から再び盛んに議論され始めたいわゆるスカーフ法案。公共教育の現場に宗教色を持ち込むことを防止することが目的のこの法案は、フランス共和制の根幹にある政教分離の原理を貫徹する姿勢を明示する一方で、とりわけイスラーム系移民およびフランス人の統合に対してマイナスに働きかねない。現在進行中のこの問題の行方を可能な限り見極めるために、年度終了間際にフランスに出張し、現地の研究者と情報交換をおこない、本研究の取りまとめについての最終的な方向性を決定したいと考えている。
以上の2方向における資料および情報の収集と平行して、理論化の作業を進めた。理論化は、主にE.バリバール、D.シュナペール、M.ゴーシェの議論を批判的に検討することを通じて、フランス共和制の普遍性と閉鎖性という矛盾するに側面に光を当てつつおこなれた。
なお、本課題をめぐるテーマで、国際シンポジウムにおいて2件、国際セミナー1件の発表、さらに講演1件をおこなった。そのうち、国際シンポジウム2件の発表は現在印刷中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 美浦 信孝(編): "来るべき<民主主義>-反グローバリズムの政治哲学"藤原書店. 381 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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