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2002 年度 研究成果報告書概要

西洋近世哲学における因果論と蓋然性の概念との関わり合いについての研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610011
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 哲学
研究機関大阪市立大学

研究代表者

中才 敏郎  大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20137178)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
キーワード蓋然性 / 因果 / 自然法則 / 必然性
研究概要

本研究は、平成13年度より二年間にわたって、西洋近世哲学、とりわけ十八世紀における因果論と蓋然性の概念との関わり合いについての検討を通じて、知識論における蓋然性の概念の役割について新たな理解を得ようとするものである。
初年度である平成13年度は、蓋然性概念の成立を哲学史的にあとづけるとともに、科学史にも注目することによって、因果論と蓋然性概念の関わり合いについて明らかにするようにつとめた。その中心をなすのはヒュームの蓋然性概念の解明であった。とくに、トマス・リードやベーズ主義との関係を念頭に置いて、ヒュームの因果論の再検討を行うことができた。
第二年度である平成14年度は、前年度の成果をふまえ、蓋然性概念と現代の因果論との関連について研究を進めた。とりわけ、因果と法則との関係や因果過程の考え方に関する検討が中心となった。前者については、マイケル・トゥーリーを中心とする因果実在論を手がかりに、ファン・フラーセンの反実在論と、ナンシー・カートライトの性能実在論に焦点を当てた。後者の因果過程に関する研究については、W・C・サーモンの一連の研究を中心に考察し、保存量でもって因果過程を分析する理論へと考察を進めた。保存量の理論によれば、原因と結果のあるところ、一定の物理的な過程が存在する。それが因果過程である。それは保存量を保持する対象の世界線である。この理論では、原因と結果は因果過程によって結合されていると言ってもよい。しかし、その結合はヒュームの見出し損ねた必然的結合ではないと考えられる。原因と結果はマクロなレベルであり、因果過程はミクロなレベルである。一連の考察の結果、因果の問題は同一性と時間の問題についての考察を必要とすることが確認されたが、それらのさらなる検討は今後の課題として残された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中才 敏郎: "ヒュームにおける奇跡と蓋然性"大阪市立大学大学院文学研究か紀要『人文研究』. 53-1. 15-30 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Nakasai, Toshiro: "Hume's Wager?: Hume on Miracles and Probabilities"Jinbun Kenkyu: Bulletin of The Graduate School Literature and Human Sciences, Osaka City University. 15-30 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2004-04-14  

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