研究概要 |
1-(1)『ブリハドアーラニヤカ・ウパニシャッド』に対するスレーシュヴァラの著した『評釈』(ヴァールティカ)の全翻訳作業のうち当ウパニシャッド第4章第4節に対する『評釈』の英訳と分析の作業を行った。その成果の一部は'Suresvara's Vartika on Brhadaranyakopanisad 4.4[545-703]'(『岐阜薬科大學基礎教育系紀要』第13号pp.51〜100)として発表した。 (2)『評釈』は全体で、11,000を越すシュローカ(詩節)からなり、半シュローカの合計は22,301行となった。先年この『索引』(インデックス)を発表しているが、誤りが多く使用に不便であるので、改訂版を作成した。Half-Verse Index of Suresvara's Vartika on the Brhadaranyakopanisad(Revised Edition)であり、これは本研究の第2年度(平成14年度)に本研究助成によって印刷される。 2、『ブリハドアーラニヤカ・ウパニシャッド』に対するバルトリプラパンチャの『註解』(バーシュヤ)の写本収集を行った。探索作業はDr.R.S.Shukla(デリー在住)を通じて、全インドのマニュスクリプト・ライブラリーを中心に行い、現在、バラナシとカルカッタに的を絞り営為努力中である。Dr.L.Deodharにお願いした「研究レヴュー」にもあるようにバルトリプラパンチャ研究にはその写本があることが絶対的に有効なのである。 3、シャンカラに始まるヴェーダーンタ哲学の発展の歴史の中で、カシミール・シャイヴァは宗教の類型としても究極の形を示している。この点に関して'Liberation on Kashmir Saiva'としてIndian Culture and Buddhism Prof.Dr.M.Tachikawa Felicitation Volumeに投稿した。
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