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2002 年度 実績報告書

長崎県下及び天草島におけるカトリック土着に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610034
研究機関長崎純心大学

研究代表者

宮崎 賢太郎  長崎純心大学, 人文学部, 教授 (60157625)

キーワードカトリック / キリシタン / 受容と変容 / 土着化 / 重層信仰 / 祖先祭祀
研究概要

日本のカトリックは、(A)九州(ことに長崎)を中心とした明治初期に復活した伝統的キリシタンの系譜に属するものと、(B)都市部を中心として新しく改宗した比較的インテリ層をおおく含む二つの系統が存在する。決定的に異なる成立背景を持つ、二つの流れに属する日本のカトリック集団間の信仰のありように、どれほどの有意な差があるのか調査を試みた。
本年は(A)タイプのものとして福岡県三井郡今村カトリック教会、熊本県天草郡崎津カトリック教会と大江カトリック教会、長崎県佐世保市大崎カトリック教会、(B)タイプのものとして神奈川県横浜市二俣川カトリック教会と末吉町カトリック教会の聞取り調査をおこなった。
一般にAタイプの系統に属する信者は、弾圧に耐えてきた先祖の熱心な信仰心を受け継いでいると思われているが、調査によれば特にミサへの参加率が高いわけでもなく、クリスマス信者といわれるような年間の特別な祝日にしか参加しない者も多い。またミサに参加しても信者の務めとして義務的に行われ。改心によるカトリックへの改宗もほとんどなく、家の宗教として子どもたちに洗礼が授けられるか、結婚による改宗である。祈りも定型のものがほとんどで、よく言えば伝統を守っているということになろうが、惰性的という指摘も可能である。崎津では年忌供養が家庭で盛大に営まれ、ミサはあげず、司祭を家庭に呼んで祈りを上げてもらいお布施を渡すという、教会があたかも檀那寺の機能を果たしているところもある。
Bタイプの二俣川・末吉町教会でも信者になるきっかけは多くは結婚であり、そのような信者は定期的にミサへは行かず、通過儀礼信者となるケースが多いという。新しく信者になった者の中には仏壇や神棚を維持し続けている者もおり、ミサに行ったその足で寺や神社に行く者もいる。都市部では司祭の数が少なく、十分な司牧が行われず、近い将来組織維持に大きな問題を抱えている。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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