研究課題/領域番号 |
13610040
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鷲田 清一 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50121900)
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研究分担者 |
松葉 祥一 神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (00295768)
本間 直樹 大阪大学, 大学院・文学研究科, 講師 (90303990)
中岡 成文 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00137358)
西村 ユミ 日本赤十字看護大学, 看護学部, 専任講師 (00257271)
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50288065)
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キーワード | 看護 / ケア / 現象学 / 臨床哲学 / 事例 / 介護 / コミュニケーション / 方法 |
研究概要 |
社会のさまざまの臨床的な場面に哲学的思考をつないでゆき、その場所でいろいろな困難に向き合っている人たちと、その場所の言葉でともに問題をとらえ、定式化し、その解決に方向性を見いだそうという試みを、わたしたちは《臨床哲学》と呼んでいる。本研究では、その対象になる現場をとくに看護ならびに介護・リハビリテーションの現場に限定し、<ケア>という視点から《臨床哲学》の実践に取り組んだ。 看護理論の領域では、医学に基礎を置くのではなく、杜会学や心理学を応用的に導入するのでもなく、看護理論としての独自の視点と方法論を探究しようという動きが強くある。それらの多くは、看護理論の基礎を哲学における《現象学》の発想と方法に活路を見いだそうとしている。いわゆる現象学的看護理論の試みである。が、そこではまだ、哲学としての《現象学》の方法と、看護現場での事例の記述や分析の方法とが乖離したままである。本研究では、両者の方法をつき合わせるなかで、現象学看護理論の試みを《臨床哲学》的に検討するとともに、併せて哲学・倫理学的思考の臨床的な転回の可能性を具体的な現場に即して探った。具体的には、哲学と看護学のあいだにどのような共同作業が可能なのかを理論的に探るとともに、長年にわたって看護・介護・リハビリテーションの現場で活動してきたスタッフの人たちが、《現象学》の方法を導入して、みずからの活動を捉えなおす試みに取り組んだ。また、ケアの現場でのコミュニケーションのあり方についてのさまざまの新しい方法を実際に現場で試みた。(詳しくは別紙、「報告書」を参照されたい)
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