研究概要 |
平成14年度は、4月26日より5月13日まで、7月19日より9月25日まで,3月31日までの計三回イタリアに研究目的で滞在し、画家サンティ・ディ・ティートの作品カタログ作成のための実地踏査と写真撮影を行った。トスカーナ地方では、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ修道院大回廊、フィレンツェ近郊ヴィッラ・ストロッツィ、アル・ボスケット、プラートのサン・バルトロメオ聖堂、サン・フランチェスコ・アル・パルコ聖堂、プラート近郊ターヴォラのサンタ・マリア・マッダーレナ聖堂、カッシャのマザッチョ記念美術館所蔵作品を撮影・調査した。また、フィレンツェ及びプラートの銀行(カッサ・ディリスパルミオ)の所蔵作品を調査した。この他展覧会Ombra del Genio(フィレンツェ、ストロッツィ邸)及びVolti del potere(ウフィツィ美術館)出品作品を調査した。トスカーナ以外ではローマのサルヴィアーティ邸礼拝堂、ヴァティカン市国内ピウス四世のカシーノ階段室、マルケ地方ポテンツァ・ピテェーナのカップティーノ会修道院所蔵作品を撮影・調査した。 図像解釈学的研究に関して、画家の作品約25点を扱かった最初の成果をフィレンツの専門誌ARTISTA(Le Lettere社刊)の2002年号に発表するため、国内及びイタリアのにおいて、平成14年3月から10月にかけて研究・執筆を続け、10月末に投稿し、審査の結果、掲載が決定した。トマシ・アクイナス、アントニーノ・ピエロッツィ、ジロラモ・サヴォナローラトイッタドメニコ会士たちの原典を援用しつつ、画家の作品を1.観想的生と活動的生1.恩寵と功績3.キリストの人性と神性、の観点から検討した。2003年5月頃を出版予定とする。
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