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2001 年度 実績報告書

日本美術にみる「死のイメージ」の歴史的変遷

研究課題

研究課題/領域番号 13610070
研究機関奈良女子大学

研究代表者

加須屋 誠  奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60221876)

キーワード日本美術 / 仏教 / 説話 / 説話画 / 死
研究概要

今年度の研究は、1,仏教説話画2,肖像美術3,当該テーマに関する近接領域の研究の現状調査、の3点にまとめられる。各項毎に研究の進捗と今後の課題について記す。
1,仏教説話画。これまで研究代表者は二河白道図や六道絵など我が国古代中世の説話画について少なからず研究論文を発表してきた。今年はこれまでの研究を振り返り、それらを一つの構想のもとにまとめるよう尽力した。「死のイメージ」という観点からそれらを整理し直してみたとき、これまで個別作品としてのみ考察してきた数々の説話画遺品(仏伝図・法華経絵・浄土教絵画等)に通底する説話画の視覚構造(見る者/見られる者、みえるもの/みえないもの…といった二項対立)が解釈された。こうした考察の成果の一部は次年度に論文(著書)刊行もしくは口頭発表の予定である。
2,肖像美術。研究代表者にとって新しいテーマとして肖像美術の研究に着手した。この分野は近年学会でも活況を呈しているが、その多くは像主の特定あるいは似絵をめぐる考察である。それに対して、研究代表者の関心は肖像の機能にある。葬送葬礼において故人の肖像を祀る事例を文献史料から拾い出し、現在遺品についてその造像背景がわかるものをリストアップした。そうした遺品は歴史的資料として扱うよりも、バルトの云う「プンクティウム」の視座から個別に考察すべきであると考える。本年度、文献・写真資料ともに相当数入手できたので、次年度以降は個別作品研究に着手する予定である。
3,近接領域。「死のイメージ研究」というテーマ設定自体が日本美術史学にとっては未開拓な領域であるため、それに関して他の近接研究領域から多くの情報を仕入れることに今年は力を注いだ。特に西洋美術史学(New Art History)、日本文学研究(テクスト論・記号論)、文化人類学(構造論)から学んだ点が多く、今後の研究に活かしていきたいと思う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 加須屋 誠: "不浄と往生"鹿島美術財団 講演録. 29号. 5-52 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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