平成13年12月にオーストリア、ザルツブルグ大学西洋古典考古学研究所において開催された、オーストリア古典考古学全国大会に出席し、ザルツブルグ大学のフェルテン教授、ヴィーン大学博士課程のクリスティーネ・ローグルなどと、筆者の研究主題について話し合い、有益な研究上の助言を得た。とりわけフェルテン教授との話し合いによって、平成15年にグラーツにおいて開催されるオーストリア古典考古学全国大会において研究発表するよう推薦して頂けたことが、研究成果の公開という点で大変に有意義であった。他に、同研究所において、日本の大学においては入手することが不可能な発掘資料など、様々な資料を閲覧し、複写することができた。なお、筆者の研究成果は、平成14年度に同研究所から発刊される記念論文集に掲載される予定である。 古代アテナイにおける「他者」研究という、学界においても注目を集めるテーマについて、陶器画の調査によって学問的貢献をなしうることが判明した。民主政成立期のアテナイにおいては、女性蔑視、異民族蔑視を意味すると推定される陶器画主題が出現している。陶器画に流行した主題が当時の社会状況を反映していることはほとんど間違いないように考えられる。 さらに、陶器画を主題別に分類して、研究資料とするためにスキャンをし、データベースの構築を開始した。広島大学社会科学研究科博士課程に所属する大学院生二人の協力を得ている。
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