研究課題/領域番号 |
13610074
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
阿部 純一 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40091409)
|
研究分担者 |
後藤 靖宏 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30326532)
吉野 巌 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (60312328)
安達 真由美 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30301823)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | 音楽 / 知覚的体制化 / リズム / 調性 / 情動反応 / 感情 / 文化差 / 認知モデル化 |
研究概要 |
本研究では、音の流れはどのような処理を経て"音楽"として認知されるのか、また、音楽に対する情動反応はどのように生じるのか、それらの心理過程を明らかにすることを目的とした。研究代表者である阿部は、現在までの研究において、音楽の知覚が"調性的体制化(tonal organization)"と"リズム的体制化(rhythmic organization)"の2種類の知覚的体制化を基盤として成立していることを立証している。また、それぞれの知覚的体制化の過程を計算的モデルとして提案している。本研究では、それらの成果の上に、それぞれのモデルのさらなる精緻化を図ること、それら2種類の知覚的体制化の結果が心内でどのように統合されているのかを明らかにして、その統合過程の計算モデルを構築すること、および、音楽の知覚過程と(知覚者の)情動反応との関係について明らかにすること、などを試みた。本研究の結果から得られた新たな知見としては、調性的体制化の過程においては、刺激音列の音高セットの構造が第一の手がかりとして用いられるが、そればかりではなく、音高の系列順序も手がかりとして利用されるということ、また、音楽の知覚的体制化と音楽によって喚起される情動反応との間の基本的関係については、知覚構造の違いによって喚起される情動が異なってくること、などを挙げることができる。なお、文化の違いで、同じ音楽に対する知覚と情動的反応が異なるかどうかを調べる実験を実施したが、その結果からは、文化のよる差違を明確な形で見出すことはできなかった。
|