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2002 年度 実績報告書

老化及び痴呆に伴う学習障害の背景となる脳内メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 13610080
研究機関福井医科大学

研究代表者

吉田 和典  福井医科大学, 医学部, 助教授 (50143938)

キーワード海馬 / 老化 / 水迷路 / 場所学習 / 手がかり学習 / 脳内神経機構 / 記憶障害
研究概要

本研究は自然老化や痴呆に伴う学習・記憶障害と海馬を中心とした脳内神経機構との関連を明らかにすることを目的としている。
本年度は,老化モデル動物のモーリス水迷路による場所学習及び手がかり学習成績を統制群と比較しながら老化年齢と空間学習障害との関連を吟味した。老化モデルラットは、12時間:12時間の明暗条件下で飼育した12ヵ月齢(n=10)、18ヵ月齢(n=10)及び24ヵ月齢(n=10)のWistar系雄ラットを用いた。若年統制群として3〜4ヵ月齢(n=14)のラットを用いた。今までに得られた結果をまとめると、従来から老化モデルとして用いられていた24ヵ月齢群において、場所学習時のプラットホームへの逃避潜時が学習初期(第4試行目)から有意に延長し、今までの報告と一致した結果が得られた。本研究では、18ヵ月齢群においても、数試行(6試行目、13、14試行目)で有意な逃避潜時の延長が認めれられた。また、学習の正確性を確認するためのプローベテスト(逃避のためのプラットホームを取り除く試行)においては、本来プラットホームのあった4分割領域での滞留時間が、12ヵ月齢を含めたすべての老齢群で有意に減少していた。さらに、若年統制群では、水泳速度ど逃避潜時との間に有意な正の相関があるのに対して、24ヵ月齢群では有意な負の相関関係になっており、12ヵ月齢や18ヵ月齢群においても有意ではないが、負の相関傾向が認められた。一方、手がかり学習課題では老化による影響は全く認められなかった。従って、老化に伴う場所学習障害は、12ヵ月或いは18ヵ月齢ですでにその傾向が出現し始めていることが明らかとなった。最終年度としての平成15年度は、脳内(特に海馬)の入出力系を中心に、老化モデルラットの形態学的変容過程を詳細に解析し、場所学習障害の原因となる脳内メカニズムの解明を目指す予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 吉田 和典: "抗コリン作動薬長期投与後のラット空間学習の成立過程と海馬内の形態学的変容との関連"福井医科大学研究雑誌. 3(1,2). 7-16 (2002)

  • [文献書誌] 吉田 和典: "ラットの場所学習に及ぼすスコポラミン慢性投与の影響"生理心理学と精神生理学. 20(2). 99 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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