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2002 年度 実績報告書

アルコール依存症患者の疾病否認に関する心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610113
研究機関筑波大学

研究代表者

小畑 文也  筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (20185664)

キーワードアルコール依存症 / アルコールリハビリテーション / 疾病否認 / 自助グループ / 飲酒運転
研究概要

アルコール依存症患者の、疾病否認の心理的構造を明らかにするために本年度は3つのアプローチをとって研究を進めた。一つはDenial Rating Scaleの日本語標準化であり、Goldsmith & Green(1988)により考案されたものをベースに、日本版にアレンジし、アルコール依存症と診断されている患者600名(全員男性)を対象に標準化調査を実施した。結果は現在分析中であるが、調査規模としては、個人で行ったものとしては最大級になり、診断があっても心に潜む否認の構造が明らかになると思われる。第二は男性アルコール依存症患者とは、疾病の成り立ちが異なると言われる女性アルコール依存症患者を対象としたもので、アルコールクリニック外来患者と自助グループ会員の計250名を対象として調査を実施した。この結果、女性の場合、病気の進行が極めて速いため、男性と比較すると原因となる心理的ストレスが特定しやすくなり、結果として、否認傾向は男性より低いことが明らかとなった。自助グループの協力を得たものといえ、女性患者250名の調査は世界的にも希少であり、現在さらに踏み込んだ分析を続けている。第三は、具体的生活事象の上での疾病否認について調査したもので、これは昨年度より継続でアルコール依存症患者150名を対象に飲酒運転の経験について遡及的調査を実施したものである。結果として、物損事故の回数が多くなるほど疾病否認傾向が弱まることがわかった。しかしながら人身事故については、その限りでなく、これは、より強い状況否認が影響しているものと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小畑 文也: "女性アルコール依存症患者におけるアルコール依存症のイメージ"三菱財団女性研究報告書(社)全国断酒連盟「女性が断酒継続しやすい体制づくりの研究」. 20-28 (2002)

  • [文献書誌] 小畑 文也: "アルコール依存症患者の飲酒欲求への対処行動に関する研究"リハビリテーション連携科学. 1巻1号. 62-102 (2001)

  • [文献書誌] 丸山豊, 小畑文也: "アルコール依存症患者の飲酒運転に対する意識"筑波大学・心身障害学研究. 27. 73-181 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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