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2002 年度 実績報告書

留学生の孤独感の個人別構造分析

研究課題

研究課題/領域番号 13610124
研究機関信州大学

研究代表者

内藤 哲雄  信州大学, 人文学部, 教授 (20172249)

キーワード留学生 / 孤独感 / 個人別診断 / 自由連想 / 多変量解析 / 間主観的解釈 / PAC分析
研究概要

留学生の孤独感は、出身国との文化的差違だけでなく、将来への希望、経済的余裕、現在の生活環境、日本語習熟度など多くの変数が関与しており、強度だけでなく、個々人によって質的構造に大きな違いが見られる。そこで本研究では、個々人の孤独感のイメージ構造を診断的に分析することを目指した。分析技法には、筆者内藤によって開発されたPAC(パック)分析を用いた(内藤,2002参照)。これは、被検者の自由連想、被検者による連想項目間の類似度の直感的評定、ウォード法によるクラスター分析、クラスターに対しての被検者自身によるイメージの報告に基づいて、検査者による総合的に至るもので、自由連想、多変量解析、間主観的解釈のプロセスを通じて個人のイメージ構造を解明する事例分析法である。
昨年度の研究で明らかとなったのは、孤独感を喚起するものは、学習の躓き、日本人との交流不調、母国への郷愁、将来への不安、個人的エピソードなどであった。他方、孤独感を緩和するものとしては、母国にいる家族や友人とのEメールによる交信や電話による直接対話、過去の楽しい思い出の回想、音楽鑑賞などが一般的であった。また、個々人の孤独感の否定肯定感情、その構造には、かなりの違いが見られた。本年度は、調査大学を拡張することと、事例数を追加していくことを目的とした。その結果、地域間や大学間の差違はほとんど見られず、個人差の方が大きいことが明らかになった。また、個々の連想項目の内容については母国と関連するものがあるものの、母国への郷愁を示すクラスターの出現を除けば、日本人学生と共通するクラスターの出現する例が多く見られた。
[引用文献]内藤哲雄2002 PAC分析実施法入門:「個」を科学する新技法への招待(改訂版)ナカニシヤ出版

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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